雨を読む。
暖かくなったかと思えば、グッと肌寒い日があったり。
気持ちの良い青空が見えたかと思えば、雨降りが続いたり。
季節の変わり目に着る服を迷うように、
私たちの気分も気まぐれな天気と同じように移り気な今日このごろ。
「書肆 朝陽館」では、梅雨前後の色彩を失った曇天に彩りを添えるべく、季節の移ろいとともに色味が変化していく「天気の棚」を作りました。「天気の棚」は、雨雲レーダーやアメダスのモザイク模様が刻々と変化していくように季節の色に合わせて、棚の本が少しづつグラデーションのように変化していきます。若葉香る新緑の5月から、梅雨の6月を経て陽射しが強まっていく7月を夏へと巡っています。
文学、絵本、詩集、エッセイ…ジャンルの垣根を越えて、天気をなぞるように移り変わっていく棚をお楽しみください。
季節や天気と連動し変化していく「天気の棚」
スタートは、この色。
【翠雨】(すいう)
青葉に降り掛かる雨。
草木の青葉に映って翠(みどり)に見えることから。
日本には雨を表現する言葉が数えきれないほど存在します。
“雨ばかりで嫌になっちゃう!”なんて思いがちな季節ですが、
素敵な雨の言葉をひとつ知っていたら、雨の日が少し楽しいものになるかもしれません。
5月は”生き生きとした翠と梅雨の足音”をコンセプトに、
新緑の鮮やかさや徐々に梅雨へと入っていく様子を本棚に映していきます。
風の匂いや咲いている花から季節を感じるように、
本棚からも季節を受け取ってみてはいかがでしょうか。
雨が多くなっていくこれからの季節。
気分が上がらずに悶々とする時は、その日にピッタリの一冊とコーヒーで雨宿り。
心を覆った雲の隙間からひとすじの光明が差すことでしょう。
雨の匂いが訪れます。もうすぐ。