皎天舎

《2018年10月24日放送》

SBCラジオ モーニングワイド「ラジオJ」の中で毎月第4水曜日の放送内「Jのコラム」で本の紹介を担当させていただいています。今月の番組内で紹介した3冊の本を改めてピックアップ。

◎書籍情報を記載しますので遠方の方も興味が湧いたら、お近くの書店で探してみてください。


人間に向いてない

著 者 黒澤いづみ
発 行 2018年6月
出版社 講談社

 ある日突然、人間を大きな昆虫だったり、顔だけ人間で体は動物・・・といった異形の姿へと変えてしまうという恐ろしい病「異形性変異症候群」が全国で発症。この病は政府から難病と指定され、治療法もなく致死性の病として、人間として“死んだモノ”として扱ってよいと定められます。そして、この変異する理由というのが、ニートだとか引きこもりの若者に多い事が分かり、社会的に必要とされない、人間がこの病にかかると仮説がたてられます。

 この物語は、この奇病と認定され異形として変わり果てた姿になってしまった息子とその母親、そして父親という3人家族を軸に、その周りにいる様々な家族の問題に焦点をあてて進んでいきます。

 なぜ、心に不安を抱えた子供たちがこのような病にかかってしまうのか。「異形性変異症候群」になった人間は最後どうなるのか。親の責任、子供たちの思い、家族の在り方を考えさせられる一冊。

ホラーもの?怪奇小説?
いやいや、全然違うんです。
きっと読めばお分りいただけます。


トキワ荘実録

著 者 丸山昭
発 行 1999月7月
出版社 小学館

11月3日は手塚治虫さんの90歳の誕生日!

 手塚治虫さんの担当編集者だった著者が、手塚治虫さんをはじめ、トキワ荘の住人だった石ノ森章太郎さん・赤塚不二夫さんといった有名漫画家さんたちとの思い出をつづった本。手塚治虫さんの原稿を他誌の編集者と取り合った壮絶な闘い(?)のエピソードや、手塚治虫さんの後輩への愛情や嫉妬の感情などが面白く、そしてリアルに描かれています。手塚治虫さんが生きていたら、どんな作品を書いていたんだろう。今の世の中を見たらどう思うんだろう・・・。

 本の中に挿絵として出てくる、名だたる漫画家さんたちが書いたイラストや思い出の写真にも、つい見入ってしまいます。

 朝陽館では11月3日に向けて手塚治虫生誕祭を実施中です。往年の名作や手塚治虫について書かれた書籍を集めていますのでこの機会にご覧ください。


いたずらひつじとおおかみのけがわ

著 者 ふじおけんた
発 行 2018年7月
出版社 偕成社

 ある村の牧場で暮らしている羊たち。
その中の一匹“メイク”はとってもいたずらもの。ある日、羊飼いのおじさんが病院に行って留守なのをいいことに、メイクはおおかみの毛皮をかぶって仲間の羊たちを驚かせ怪我をさせてしまいます。その事に腹をたてた他の羊たちは、メイクをその牧場から追い出します。そして独りぼっちになったメイクのところに狼たちのささやき声が聞こえて・・・。 「羊飼いがいなくなったから、羊たちを全部食べてやろう!」 それを聞いたメイクは、仲間を救おうと一策を練ります。

 メイクは仲間を助ける事ができるか!?そして仲間に許してもらい、仲間の元へ戻ることができるのか? 大切な人への思い、分かってもらえなくてつらかったり、切なかったりすること、ありますよね。でも、ちゃんと相手を思って接していれば、思いは伝わる・・・そんな事を教えてくれる絵本です。

実は、著者のふじおさん。
長野市生まれの長野市在住の方なんです。

 ふじおさんが書いてくれたPOPも店頭飾ってあるので、ぜひ足を運んで見に来てください!