皎天舎

《2019年10月23日放送》

SBCラジオ モーニングワイド「ラジオJ」の中で毎月第4水曜日の放送内「Jのコラム」で本の紹介を担当させていただいています。今月の番組内で紹介した3冊の本を改めてピックアップ。

◎書籍情報を記載しますので遠方の方も興味が湧いたら、お近くの書店で探してみてください。


自衛隊防災BOOK

発 行  2018年8月
出版社  マガジンハウス

毎年どこか他人事(ひとごと)のように感じていた台風が、自分事となった今回の被害。
直接被害にあわれた方、直接被害はなくても日々目に映る被害跡の映像に心を痛めている方、たくさんの方が今回の台風被害へ様々な想いを抱いているかと思います。

現在でも普段と違う状況下での生活や、避難所での生活を余儀なくされている方も沢山いらっしゃいます。
そんな時どういったものが役に立ち、自分たちを少しでも楽に、そして救ってくれるのかという事を、実践的な方法で紹介しているのがこの本です。

・節水時にうまくシャワーを浴びる方法
・崩れにくい土嚢の積み方
・ツナ缶・バターをロウソク替わりにする方法
・シャツやズボンを浮き輪代わりにする方法
など、いざという時に役に立つテクニックが100個紹介されています。

また、ただしい雪かきの方法やロープの結び方、缶切りなしで缶詰を開ける方法など、日常生活でも役に立ちそうなテクニックも。ふと周りを見回すと案外使えそうな物や、“不便”が少しでも快適になりそうな物がある事に改めて気づきました。

予備知識として頭の片隅に置いておいていただけたら、いざという時に自分自身を救ってくれる一助となるはずです。もしも……に備えた一冊としてぜひお手に取ってみてください。


日本列島のしくみ見るだけノート

著 者  鎌田浩毅
発 行  2019年7月
出版社  宝島社

8月にご紹介した本ですが、改めてもう一度……。

地震や異常気象が起こるしくみについて分かりやすく解説した一冊。
水害や大雨、台風の起こるしくみについても記載。

災害大国日本と呼ばれる国に住む私たちにとって、いつ自らにふりかかるとも分からない自然災害。
そのしくみや理由を知っていることは、自分の身を守る上でも大切な事かもしれません。


その手がおぼえてる

 文   トニー・ジョンストン
 絵   エイミー・ベイツ
 訳   2019年2月
出版社  BL出版

母親と息子の一生涯を“手”を通して描いた感動の絵本。

あなたがまだお腹にいたころ、大きくなったお腹をそっと撫でる母親の手。
生まれたてのあなたの小さな手をにぎる大きな手。
泣いていたら、転んだら、すぐに抱きかかえてくれる温かい手。
あなたの成長のすぐ横には、温もりに満ちた母親の手がいつもそこにあります。
でも当たり前のように触れていた手が、成長するにつれて触れる事がだんだん少なくなり、やがて巣立っていくあなたを母の手が見送ります。

手から伝わる母親の愛。
そして感謝の気持ちを手を通して伝える息子の精一杯の愛がたくさん詰まった絵本です。

涙が自然と溢れ、どこか切なく、でもとっても温かい一冊。私の中にある親から愛された記憶がよみがえり、あらためて“ありがとう”と伝えたくなりました。子供はもちろんですが、子育て真っ最中の親御さんや、感謝の気持ちを誰かに伝えたい、そんな人にもおすすめです。