皎天舎

孤独のエクササイズ

誰かと語り合ったり、心を通い合わせたりする人がいなくて寂しいことを「孤独」と言いますが、疎外や孤立によって生まれるネガティブな感情を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。

しかし、人間の精神性においての「孤独」は、自分の存在について考えることを強いられるため、創造性や想像力を鍛えるための栄養にもなり得ます。そうした学びや思考を「哲学」と言ってもいいのではないでしょうか。こうした精神のエクササイズは、さらなる栄養を必要とし、さらなる教養を吸収しようとします。取り入れた教養を糧に、あらゆる角度から自分を見つめることができれば、他者に対しての理解も深まり、受け容れることが可能になるのかもしれません。孤独は怖くない。美しいソリチュードを愉しんでください。

さあ、エクササイズを始めましょう。

哲学と孤独

人は大勢の人の間にあっても、というかその中でこそ孤独であると、哲学者は言う。だから人は、逆説的にも孤独から逃れるために独居する。が、反対に孤独を味わうために街に出もする。孤独は何かの欠乏ではなく、まぎらわすよりもむしろ味わうべきもの。その意味で孤独は感情よりも知性に属し、その中ではじめて世界と確と向き合うことができる。 

鷲田清一 『哲学と人生』 より。

孤独とは他人を拒否することではなく、他人を他人として受け容れること。だからこそ、愛することは、ありのままの姿で見れば、孤独なんだ。

コント=スポンヴィル 『愛の哲学、孤独の哲学』 より。