皎天舎

別路のみちしるべ

 別路(わかれじ)には、人と別れて行く道、また、人との別れの意味があります。あるとき、人が旅立ち独りの道を行くように、本道から別れ出た枝道を指す言葉でもあります。

多くの学校では卒業を控えています。別々の学校へ進むこともあれば、新しい人生のステージへと向かうこともあるでしょう。感受性が豊かな年頃の学生たちは、いま、どのような思いを巡らしているのでしょう。過ぎたその感情を思い起こしてみるのも良いものです。また、別れに際して複雑な思いが視界不良を起こすのは大人も同じこと。男と女の別れや親しい者との死別など、別れにはさまざまなカタチがあります。哀しみの路は悲観へとつづきます。

顔をあげて次の路へ進むには、迷わないように『みちしるべ』が必要です。

本はみちしるべだ!

あなたの「別れ」に寄り添う物語があります。ともに泣いてくれる物語があります。笑い飛ばして立ち直らせてくれる物語があります。歩いた路を振り返り、あの時の別れを思い出させてくれる物語があります。一方で、別れ自体を拒絶し抵抗するものもあります。

小説、エッセイ、コミック、多くの作家が数え切れないほどの「別れ」をテーマに作品を発表してきました。それほどまでに人生においての別路は幾度とあらわれます。これらの作品には、別れに際した感情が綴られています。多種多様な別れ方、立ち直り方、受け止め方は、『別路のみちしるべ』となることでしょう。  

もっとも、他人事の別れ話はドラマチックであればあるほど、面白いものです。

まさに、蜜の味がします。