皎天舎

「書肆 朝陽館」では、定期的に読書会を開催します。
準備回として8月20日に開催した「はじめのいっぽ」は、【読書会の教室】の著者である、竹田信弥さんと田中佳祐さんをオンラインゲストとしてお招きし、「読書会」について参加者の皆さんとお話しをしました。さまざまな読書会があることを知り、その楽しみ方を聞き、いよいよ準備完了です。そして、ここから私たちの読書会がスタートします。

「書肆 朝陽館」では、今後さまざまな形態の読書会を行なっていきますが、まず始める店主主催の読書会を、『しほる会』と呼ぶことにしました。”しほる”とは、”枝を折る”が変化した言葉ですが、山道で迷わないように枝を折って目印をつける、案内をする、導くという意味があり、栞の語源とも言われています。

一冊の書物を読み、参加者がお互いに道案内をする。思考の深淵に導く。そういった会になったらいいなと思います。しかし、身構える必要はありません。臆する必要もありません。本の読み方・感じ方は自由です。本を読んで思ったことを右手に、他の参加者と語らう期待感を左手に来場する。それだけてす。そして、他の参加者の感想を聞き、新たな気づきを胸に持ち帰ります。読みかけのページにサッと栞を挟むように気軽に参加できる読書会です。

来月は、しほる?
キミは、今夜しほるのかい?
一緒に、しほるかい?
サリンジャーでしほる。

”しほる”には、こんな用法があります。読書家の合言葉としてご利用ください。


さて、9月の読書会のご案内です。

課題図書:彼女の思い出/逆さまの森
出版社 :新潮社
ISBN  :9784105910082

開催日 :9月17日(土)
時 間 :19:30〜21:30
参加費 :1,650円(1ドリンク付・税込)

応募方法:こちらのフォームより必要事項をご記入いただきご応募ください。



    ■個人情報の取り扱いについて
    ご入力いただいた個人情報は、お問い合わせいただいた内容に対応するためにのみ使用し、他の目的に利用することはございません。弊社のその他の個人情報の取り扱いについては「PRIVACY POLICY」をご参照ください。

    ■課題図書・関連本のご注文もこちらのフォームにて承ります。
    (その他の書籍のご注文はご遠慮ください。店頭にて承ります。)


    サリンジャーについては、旧朝陽館時代のブックフェア 『どちらかといえば、汚辱のお話しが好き』 のときに記したテキストを残しています。参考にしていただければ幸いです。今回の課題図書は、サリンジャーが二十代の頃に発表した短編・中編から構成されています。とはいえ、初期の作品群の本書にも、繊細なこころの動き、センスのいい語り、そして読後に染みるように訪れる哀感が漂い、小説の面白さ、短編のテクニックなどの魅力が随所に見られます。

    サリンジャーといえば、これまでに6500万部も売り上げ、いまも世界中で読まれている、「キャッチャー・イン・ザ・ライ」(ライ麦畑でつかまえて)があまりにも有名な作家ですが、サリンジャーが残した長編小説はこの一作品だけで、それ以外の発表作は短編か、中編となっています。

    ”ライ麦”に登場する、コールフィールド家にまつわる小説群を中心に、2018年に刊行された「このサンドイッチ、マヨネーズ忘れてる/ハプワース16 1924年」(新潮社)と、その後に書かれたグラース家を舞台にした短編小説群の「ナインストーリーズ」(新潮文庫)、こちらを合わせて読んで参加されると、より一層サリンジャー作品への理解が深まることでしょう。

    サリンジャーは初めてという方も歓迎します。この課題図書には短編、中にはショートショートも含まれますので、ちょっとした空いた時間で一つづ読んでいくこともできるので読書に慣れていない方、これから読書を趣味にしたい方にもうってつけ。もちろん、生粋のサリンジャーファンもぜひご参加ください。